ホームページとは何か? 情報・関係・取引から見るWebサイトの構造

「ホームページを作りたい」
「会社のホームページを持ちたい」
しかし、少し立ち止まって考えてみると不思議な点がある。
はじめに
技術的な意味で言えば、ホームページとは本来「トップページ」を指す言葉だ。
- Webサイト
- = 複数のページからなる集合
- ホームページ
- = その入り口となるページ
ところが実際の会話では、「ホームページ」はサイト全体を指す言葉として使われていることが多い。
なぜこのような使われ方が生まれているのだろうか。
この問いを出発点に、Webという媒体を少し広い視点から見てみたい。
人は「ホームページ」に何を期待しているのか
一般的に「ホームページ」と聞いて、多くの人が思い浮かべる内容はそれほど複雑ではない。
多くの場合、そこに期待されているのは次のような情報だ。
・会社情報
・サービス内容
・問い合わせ
これは偶然ではない。
実際に企業サイトのグローバルナビゲーションを見ると、ほとんど同じ構造になっている。
・About
・Service
・Contact
つまり多くの企業サイトは、社会が企業に対して持つ基本的な問いに答える形で設計されている。
この会社は何者なのか、何をしているのか、どうやって連絡すればいいのか。
企業サイトとは、こうした問いに答えるための情報媒体として機能している。
Webサイトの役割は一つではない
ここで視点を少し広げてみる。
企業サイトのような情報媒体だけが、Webサイトではない。
インターネットには様々な種類のサービスが存在する。
例えばSNSを考えてみよう。
SNSの中心にあるのは企業情報ではなく、人と人のつながりだ。
・投稿
・フォロー
・コメント
・シェア
ここで重要なのは、情報の整理というよりも関係性の形成である。
またECサイトはさらに別の構造を持つ。
・商品
・カテゴリ
・カート
・決済
ここで中心になるのは取引だ。
このように整理すると、Webサイトは大きく次の三つの役割に分けることができる。
・情報
・関係
・取引
企業サイトは「情報」、SNSは「関係」、ECサイトは「取引」といった風に、それぞれ異なる役割を持つ媒体なのである。
「ホームページ」はどこに位置するのか
ここで最初の問いに戻る。
多くの人が「ホームページ」と呼んでいるものは、この三つの分類の中ではどこに位置するのだろうか。
実際の使われ方を見る限り、それはほとんどの場合、企業や個人の情報を紹介するサイトを指している。
つまり整理するとこうなる。
- Webサイト
- ├ 情報
├ 関係
└ 取引
- ホームページ
- └ 情報
この意味で「ホームページ」という言葉は、
インターネットにおける情報媒体を指す言葉として使われていると考えることもできる。
情報・関係・取引という三つの世界
ここまで見てきたように、インターネットのサービスは大きく次の三つの役割に整理できる。
・情報
・関係
・取引
企業サイトは情報を提供し、SNSは人と人の関係を作り、ECサイトは商品やサービスの取引を成立させる。
一見すると全く異なるサービスのように見えるが、人間の活動という視点から見ると、これらはそれぞれ異なる側面を担っているとも言える。
インターネットが扱うもの
ここで少し視点を変えてみたい。
インターネットは、基本的に「物」を直接扱うことができない。
画面の中にあるのはすべてデータであり、情報だ。
例えばECサイトで商品を購入する場合でも、最初に私たちが見ているのは商品そのものではない。
商品の写真、説明、価格、レビュー、つまり「商品の情報」である。
この意味でインターネットとは、物質ではなく情報を扱う世界と言える。
三つの活動とその対比
この視点から見ると、先ほどの三つの活動は少し別の形でも理解できる。
情報 ⇔ 物質
関係 ⇔ 独立
取引 ⇔ 贈与(自給)
現実の世界では、人は物を作り、それぞれ独立した存在として生活し、必要なものを交換することで社会を成り立たせている。
一方インターネットでは、物質の代わりに情報が流通し、独立した個人はSNSなどの関係の中でつながり、取引やサービスがオンラインで成立する。
つまりインターネットとは、現実世界の活動を別の形で再構成した空間でもある。
ホームページという「情報の場所」
こうした視点から見ると、ホームページという存在の位置も見えてくる。
多くの人が「ホームページ」と呼ぶものは、企業や個人の情報が整理された場所である。
それはSNSのように関係を作る場所でもなく、ECのように取引を行う場所でもない。
インターネットの中で情報を整理して伝える場所。
それが多くの場合、「ホームページ」と呼ばれているものなのだろう。
技術ではなく「役割」で理解される言葉
制作側の視点では、Webサイトとはページの集合であり、サーバーやHTMLといった技術構造として理解される。
しかし多くの人にとってWebサイトとは、技術ではなく役割によって理解されている。
・企業の情報がまとまっている場所
・サービスを知るための入口
・問い合わせをするための窓口
つまり「ホームページ」という言葉は、技術的な概念というよりも、社会の中で共有された役割を表す言葉として使われているのかもしれない。
おわりに
Web制作の現場では、どうしても技術的な視点からWebサイトを捉えてしまうことが多い。
しかし社会の中で見れば、Webサイトとは単なるページの集合ではなく、情報、関係、取引といった人間の活動を支える媒体でもある。
そして多くの人が「ホームページ」と呼ぶものは、その中でも特に情報を伝える役割を持つサイトを指している。
言葉の定義は技術によって決まることもある。
しかし多くの場合、それは社会の中での使われ方によって形作られていく。
ホームページという言葉もまた、そうした使われ方の中で意味を持っているのだろう。



