iPad用イラストソフトProcreateにCMYKカラープロファイル(Japan Color 2001 Coated・Japan Color 2011 Coated)を追加しよう!

iPad用イラストソフトProcreateにCMYKカラープロファイル(Japan Color 2001 Coated・Japan Color 2011 Coated)を追加しよう!
印刷所への入稿の際など、CMYKのデータを求められる場面があります。
Photoshop等のCMYKに対応したソフトウェアがあれば変換したり、最初からCMYKで作業をすることができますが、そのためだけにサブスク契約をするのも……と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、Procreateに日本で一般的なCMYKカラープロファイル「Japan Color 2001 Coated」と「Japan Color 2011 Coated」を導入するための方法をご紹介します。

※ご利用の環境や時期によって画面や仕様が一部異なる場合がございます。

CMYKとRGBって?

RGB・CMYK

RGBは「光の三原色」と呼ばれる「Red(レッド)」「Green(グリーン)」「Blue(ブルー)」の3色を組み合わせることで表現される方式で、スマートフォンやパソコンのモニターなどの光で映像を映し出す場合に用いられます。

逆にCMYKは「色の三原色」と呼ばれる「Cyan(シアン)」「Magenta(マゼンタ)」「Yellow(イエロー)」「Key Plate(キープレート・ブラック)」を合わせた4色を組み合わせることで表現される方式で、印刷の際、インクの組み合わせとして用いられます。

これら二つの一番大きな違いとして、RGBは色を合わせれば合わせるほど明るく、白っぽくなっていく「加法混色」なのに対し、CMYKは色を合わせれば合わせるほど暗く、黒っぽくなっていく「減法混色」であることが挙げられます。

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RGBとCMYKだと再現できる色味に違いがあって、特にCMYKは再現できる色の幅が狭いんだよね

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混ぜれば混ぜるほど暗くなっていく特性から基本的に明度の高い色や鮮やかな色の表現が難しいんだ

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とはいえ、大体の家庭用プリンターはそもそもCMYKデータで出力される想定をしていなくて、普通にRGBデータで出力した方が綺麗に出るのでCMYKが必要になるのは大体印刷所への入稿の場面だね

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近年は高彩度の色域表現ができるRGB印刷ができる印刷所もあるんだけど、当然対応してもらえる業者さんが限られるのと別料金があるパターンが多いのでまだまだCMYKが使えるに越したことはない……かな?

カラープロファイルとは?

デバイス間で色味が変わってしまう……

同じ画像を別々のモニターで見比べた時、若干違う色味に見えてしまうことはありませんか?
これは利用しているデバイスごとの性能が異なることでどうしても発生してしまう現象です。

そして、この問題を解決するのが「カラープロファイル」です。
画像やPDF等のデータにカラープロファイルという色設定ファイルを埋め込む(設定する)ことで、各デバイスは「このデータが作られた時の色情報」を再現することができ、色の差異を最小限に抑えることができます。

カラープロファイルの中には様々な色設定の情報が含まれていますが、その中に「カラースペース(色域)」と呼ばれる表現ができる色の範囲を設定する情報があります。

カラースペース(色域)

上記の画像はカラープロファイルの「Adobe RGB 1998(色の表現に長けたRGBプロファイル)」「sRGB(一般的なRGBプロファイル)」「SWOP CMYK(印刷用CMYKプロファイル)」のカラースペースを表した図表です。
この図表から基本的にRGBの方が範囲が広く、印刷用のCMYKは特に彩度の高い寒色の範囲が狭いことがわかります。
カラースペースを超えてしまった色は当然想定通りの発色をすることができません。

では、「より表現できる色の範囲が広いプロファイルを設定した方がいいのでは?」と思うかもしれませんが、当然モニターやプリンターなどのデバイスそのものが該当のプロファイルに対応していなければその色を再現することができません。
そのため、場面に応じてそのデバイスで最適なカラープロファイルを設定することが重要となります。

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WEBの現場では大抵のデバイスが対応できるsRGBをベースにしていることが多いよ

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一度なくなってしまった色情報は復元することができないから、カラースペースの広いAdobe RGBは後から調整が入る予定がある写真撮影なんかの時によく使われるね

印刷用のカラープロファイルについて

先の項目でカラープロファイルがあるとモニターやデバイス同士がある程度同じ色で表示できるということをご紹介しましたが、同様に印刷現場に適したプロファイルが存在します。
それがCMYKプロファイル「Japan Color 2001 Coated」「Japan Color 2011 Coated」です。

これらは日本の印刷所がコート紙(インクが定着しやすいコート剤が塗布された印刷用紙)への印刷をする場合に最適化されたプロファイルで、使いたい印刷所が指定しているバージョンのプロファイルを利用することで色の再現性が上がります。

2001より2011の方がより新しいバージョンで特にRGBからの変換時の色の再現性が高いですが、印刷所によっては旧バージョンの2001を前提としている場合もあるため事前に確認をしましょう。

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2011に対応した印刷所も最近多い印象だけど、記載のない印刷所の場合は基本的に2001が安定かな

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今はAdobeもインストールなしで2011が使えるけど、詳細設定開かないと出てこなかったりしてまだ主流が2001寄りなのかも

カラープロファイルをダウンロードしよう

「Japan Color 2001」はAdobeから、「Japan Color 2011」はJAPAN COLORの公式サイトからダウンロードができます。

JapanColor2001

https://www.adobe.com/support/downloads/iccprofiles/iccprofiles_win.html
Procreateにインストールする目的であれば「ICC profile download for End Users(エンドユーザー向けのICCプロファイルのダウンロード)」をタップ、遷移先のページでライセンス規約を確認して「Accept(同意する)」ボタンをタップでダウンロードが始まります。

JapanColor2011

https://japancolor.jp/icc.html
こちらもAdobe同様、ライセンス規約を読んで同意するとダウンロードができます。

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ちなみにAdobeのもうひとつのリンクはハードウェアとかソフトウェアにバンドル(同梱)する時に使うライセンスだね

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まあ一般のユーザーは大体関係ないから「エンドユーザー向け」になるよねえ

ダウンロードしたカラープロファイルをProcreateに登録しよう

それでは実際に「JapanColor2001 Coated」をインストールする前提の工程を見てみましょう。

1.「ファイル」アプリ内で先にダウンロードしておいたZIPファイルをタップして展開しておく

2.Procreateを起動し、右上の「+」マークをタップ

3.開いたメニュー内右上のアイコンをタップ

4.左メニューのカラープロファイルをタップ

5.右上の読み込むをタップ

6.先ほど展開しておいたフォルダをタップ

7.インストールしたいICCプロファイルデータをタップしてチェックを入れる

8.右上の「開く」をタップする

9.Procreateの画面に戻るので「CMYK」の項目に切り替える

これでインストールした「JapanColor2001 Coated」が表示されるようになります

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とりあえずここまでやっておけばいつでも登録済みのカラープロファイルを使うことができるよ

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Uncoatedとか2011Coatedが使いたい時は当然インストールしないと入ってないので同じ要領で必要に応じてインストールしてあげてね

登録したカラープロファイルを実際に使おう

カラープロファイルの設定をする場面は大きく2パターンあります

A.新規キャンバスの作成時にプロファイルを設定する

画像のようにカスタムキャンバスを一度作成すると次からは一覧画面の+マークのメニューに追加されます。

削除や修正をしたい場合は該当の項目を左側にスライドするとボタンが表示されます。

B.既に描いているキャンバスのプロファイルを変更する

アクションメニュー(スパナアイコン)→キャンバス→キャンバスの情報→カラープロファイル
で編集画面を表示することができます。

ただし、この方法ではRGBとCMYKのモード変換をすることはできません。
CMYKモードで作成したい場合はAの方法でCMYKモードのキャンバスを作成しましょう。

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ねえねえ、どうしてもRGBで始めたデータをCMYKに変えたいって時はどうするの?

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それはだいぶ力技なんだけど、新規キャンバスにコピーしてくる感じになるかな……

1.新規のCMYKモードのキャンバスを作成
2.一旦RGBモードのイラストを開く
3.アクションメニューから「追加」→「キャンバスをコピー」
4.CMYKモードのキャンバスに戻る
5.アクションメニューから「追加」→「ペースト」

ただ、この記事作成時点で公式が変換対応してないってことは、おそらく変換機能自体が強い訳じゃないんだと思うので自己責任でお願いします

ProcreateのCMYKモードの注意点

CMYKモードのキャンバスを開いている時のみ、カラーメニューの「値」の項目にCMYKのスライダーが表示されます。

……が、このCMYKスライダーが曲者で、数値を指定してキャンバスに描いた後にスポイトで拾うとCMYKの値が変わってしまっています。

数値レベルで色味を厳密に合わせるような調整が現時点(5.3.14)では出来ないので注意が必要です。

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中の人も実態の仕様はわかんないんだけど、恐らく一回RGBで出力した色をCMYKに変換してるみたいな挙動してるのかなって思う……

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え〜ん!黒を絶対K100で描きたい!肌色をくすませたくないからシアン絶対入れたくない!みたいなのが微妙にできないのもどかしいよ〜〜

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今の所あくまで疑似再現というか、Procreate単体で入稿までしたくて、ある程度モニターで表示してる色味に近づけられる機能って割り切りが多少必要かも

まとめ

日本国内で利用されるCMYKカラープロファイル「Japan Color 2001 Coated」「Japan Color 2011 Coated」はProcreateに標準インストールされていませんが、手動でインストールすることが可能です。
必要な場面に遭遇した際は本記事を是非参考にしてみてください。

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私たちみたいに業務に使う場合はまだまだAdobeのサブスクが必須だったりするけど、趣味の範囲ならProcreateみたいな買い切りソフトで気軽にある程度のCMYKデータを作ることができるのはメリットなのかも!

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