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シルクスクリーンでもこもこの発泡インクに挑戦!2023年年賀状をご紹介

シルクスクリーンでもこもこの発泡インクに挑戦!2023年年賀状をご紹介
新年あけましておめでとうございます。
毎年恒例(?)の技術テストを兼ねた弊社の年賀状をご紹介します。
今年は去年と同様「シルクスクリーン」を利用しますが、昨年とはインクを変えてみました!
作業風景写真と動画も撮影してみたので昨年版より作業感が見える?かもしれません。

ちなみに去年の記事はこちらです

今年は発泡シルク印刷!

今年は卯年ということで、「フワフワ系の加工がしたい!!!」という中の人が、選んだ加工がこの「発泡インク」を使った「シルクスクリーン印刷」です。
去年は加熱するとツヤツヤプリプリになるバーコ印刷を施しましたが、今年は加熱するとボワボワ膨らむ加工にしてみました。

あまり聞き馴染みのない加工かもしれませんが、Tシャツや靴下などでぷっくりほわほわした文字や図案が印刷されたものを見たこと・触ったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
多少インク(質感)の違いはありますが、あれが発泡インクを使ったシルクスクリーン印刷です。

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本来アイロンを使うこともあって、基本的には布地に施す加工かな

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でも今回は実験を兼ねてエンボスヒーター(ものすごく熱くなるドライヤー的なもの)を使って紙に実践してみるよ

作業風景

シルクスクリーンでは版用のメッシュ布を枠に張るところから作業が始まります。
昔ながらのやり方であれば、
1.この布に特殊な薬剤を塗りつけ
2.印刷したいものを出力したOHPシートを重ねて感光(光で薬剤を硬化させる)
3.残った薬剤を洗い流して乾燥
みたいなそこそこ重い作業が入るのですが、最近はプリンターの要領でシルクスクリーン版を出力してくれる機材があったりするので、弊社では製版出力を受けてくれる業者に依頼しています。
ものすごくありがたいですね。

スクリーン版を枠に張る

そんな感じで製版されて送られてきた版を枠に張ります。
知っている人にはどこの業者使ってるのかバレバレになってしまう。
SURIMACCA、お手軽かつコンパクトなのに割と大きいサイズまで対応しているのでオススメです。(開き直ったダイレクトマーケティング)
ちなみに表裏が逆に見えますが、この作業をしているのは裏面なのでこれで正解です。

机にセッティング

版が張れたら机にセッティングします。
コピー用紙に原寸印刷したサンプルを貼り付けて版との位置を合わせます。

ハガキを置く

机に貼り付けたサンプルに合わせて未加工のハガキを置きます。

インクをスキージで伸ばす

インクを図案の上側にやや多めに盛り付け、スキージを使って伸ばしていきます。
紙側に軽い力をかけつつ、引き下ろしていくイメージです。

刷り上がり

刷り終わったら版を上げて回収します。

乾燥するとインクはほとんど透明になります。

ちなみに刷った直後はうっすら白っぽいですが、乾燥するとインクは一旦ほぼ透明になります。
画像左は刷ってすぐ、右はしばらく経ったものです。

刷り終わったらエンボスヒーターを使って熱するのですが、多分静止画だとわかりづらいと思うのでgif動画にしてみました。

インクをエンボスヒーターで熱する動画
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エンボスヒーターの風、地味に熱いから動画の中の人の手が挙動不振なのはそっとしておいてほしい

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この熱風、カタログスペック的に250℃なんよ、正直くっっそ熱い

作った感想

結論から言うと昨年のバーコ印刷に比べると若干修練が必要な印象を受けました。
インクの乗り具合やインク自体の調子で膨らみ過ぎたり、そうじゃなかったりするのでムラなく載せるのが中の人には若干難しかったです。
あと体感でインクの乾燥がかなり早く、版が詰まりやすいのでたくさん刷る場合、補助は居たほうが安全かもしれません。(これは今回水性インクを使ったので、油性インクを使ったりでも違うかも)

また、膨らむ分、細い部分は非常に潰れやすくもあり、インクの状態によって一部剥がれてしまったり若干ロスが発生してしまったので、文字は通常の印刷にして、イラストの部分だけにしたほうがより成功率が高かったかもしれません。

とはいえ、正直想像していた以上にがっつりと盛り上がるので、インパクトはバッチリです。
インクも残っているので今度は布にも試してみたいところ。

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今回はこんな感じに半素人が手刷りしたけど、印刷業者によってはオプションでその道のプロが対応してくれる加工でもあるので、クライアントワークで使う場合はもっと精度高い感じになると思います

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今年もいろいろチャレンジしてみたいねえ、よろしくお願いします!